男子第51回大会の記事

【毎日新聞社紙面より抜粋】

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大牟田9年ぶりV

トラック内での大接戦の末、仙台育英の清野(左)を迎えゴールする男子・大牟田の土橋
トラック内での大接戦の末、仙台育英の清野(左)を迎えゴールする男子・大牟田の土橋

昨年、仙台育英が西脇工を2秒差で降したのに続くトラック勝負となり、大牟田のアンカー土橋啓太が残り約150メートルでスパートし、2連覇を狙った仙台育英を1秒差で振り切り、2時間4分48秒で9年ぶり5回目の優勝を果たした。1秒差での優勝は第40回大会(1989年)に報徳学園が西脇工を破って以来。また、鹿児島実が3位に入って21年ぶりに入賞した。

■ レース評

1年生対決 1秒差V - 大牟田復活、仙台育英の連覇を阻む

大牟田が5区以降、仙台育英との一騎打ちを演じ、7区の土橋がトラック勝負でわずかに競り勝って、1秒差でテープを切った。

大牟田は1区・大津が仙台育英・カビルから54秒遅れの3位につけた。2区で4位に下がったが、3区・谷合が中間点を過ぎてから一気に追い上げ、10秒差の2位に浮上。5区以降は仙台育英と並走を続けて重圧をかける慎重なレース運びを見せた。しかし全体に、一気に仕掛けてレースを引っ張る積極性が見られなかったのは惜しまれる。

仙台育英はカビルの貯金を守れなかった。鹿児島実は安定したペースを守り3位に入る健闘。小林、豊川工は徐々に追い上げ、佐久長聖と土岐商は終始5位前後の争いに位置して入賞した。3区まで3位につけた埼玉栄は4区以降が不振。西脇工は1区18位の出遅れが響いて14位に終わった。

54秒差 クールに追走

男子7区3.6キロ付近でデッドヒートを繰り広げる大牟田の土橋(右)と仙台育英の清野
男子7区3.6キロ付近でデッドヒートを繰り広げる大牟田の土橋(右)と仙台育英の清野

5区から続いた仙台育英との一騎打ち。息詰まるアンカー勝負を制した土橋は「不安はあったけど、みんながつないだタスキだったから」と晴れやかな表情を浮かべた。

不安とは、レース当日朝に行ったメンバー交代。最近の大牟田はエースの風邪や主力の故障で、毎年のように直前にアクシデントが発生。今回は久しぶりに万全かと思われたが、昨夜になり2区予定の村上が足首痛を訴えて、急きょ鐘ヶ江を送り出した。

「無理できないこともなかったけど、途中でしゃがみ込む村上の夢を見た」と大見監督。悩んだ末の決断だったが、チームに「またか」との思いが漂った。1区大津は硬く、普段の積極性が見られない。仙台育英に54秒差をつけられ、2区でも縮まらない。

この流れを3区の谷合が断ち切った。大牟田は近年、仙台育英に奪われたリードを取り返そうと、各区間で過剰なペースで突っ込み、後半に崩れる展開が多かった。だが、谷合は前半、抑え気味に走り、3区中間点過ぎからペースアップ。佐久長聖と鹿児島実を引き離すと先行する埼玉栄もかわして2位に。仙台育英との54秒差もわずか10秒差に。

今年、大見監督は賭けに出た。例年、一部選手を連れて参加していた、他の強豪校との合同合宿をやめ、学校で練習を繰り返した。県予選に合わせていたピークを全国大会に遅らせるのと、大見監督と全選手の接する時間を増やすことが狙いだった。

「以来、私が何を考えているか、選手が理解できるようになった。だからレース中でも冷静だったのでしょう」と大見監督。殊勲者の谷合も「監督とのスキンシップが大きかった」と話す。勝負どころで見せた谷合の冷静さや土橋の粘り。あと一歩で優勝を逃し続けていた悔しさを、大牟田は最高の形で晴らした。

【中田 博維】

◎ トピックス

8年連続 1区の区間賞

仙台育英が8年連続で1区(10キロ)の区間賞を獲得

すべてケニア人留学生で、過去の獲得者はダニエル・ジェンガ(現ヤクルト)、ジュリアス・ギタヒ(現日清食品)、ジェームス・ワイナイナ(現スズキ)。


西脇工が21年ぶりに入賞を逃す

第30回大会(79年)の18位以来。兵庫県勢としても21年ぶり。


最多39回出場の小林が8年ぶり入賞

昨年の11位から4位に躍進


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