男子第41回大会の記事

【「全国高等学校駅伝競走大会 50年史」(全国高等学校駅伝競走大会実行委員会・2000年5月発刊)より抜粋】

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西脇工8年ぶりV

踊り上がってゴールインする西脇工のアンカー、山本
踊り上がってゴールインする西脇工のアンカー、山本

昨年、わずか1秒差で優勝を逃した西脇工が6区でトップに立ってそのまま独走、2位の大牟田に1分4秒の大差をつけ、2時間5分44秒の歴代3位の好タイムで8年ぶり2回目の優勝を果たした。

3位には地元の宇治が入った。4位の中京は入賞(10位以内)回数で25となり、小林を抜いて単独トップになった。また、8位の市船橋は第36回大会(1985年)の初出場以来6年連続入賞の新記録をマーク。9位の上伊那農が長野県勢として36年ぶり、10位の上野工は三重県勢初の入賞を遂げた。

■ レース評

後半3人が区間賞

5区で西脇工の陣在と激しい2位争いをする大牟田の木村[40]
5区で西脇工の陣在と激しい2位争いをする大牟田の木村[40]

1区でトップの市船橋から14秒差の4位につけた西脇工だったが、3区では先頭の中京に150メートル以上の差をつけられた。しかし、4区・速水、5区・陣在が大牟田と激しい2位争いをしながら中京との差をつめた。7秒差でタスキを受けた6区の結城は1.5キロ付近で中京を一気に抜き去り32秒差の貯金をつけてタスキ。アンカー山本もリードを広げてゴールした。5区以降の3人が区間賞を獲得する層の厚さは、他を圧倒していた。

大牟田は、1区のエース川内が8位と出遅れたのが誤算。4区の調が区間賞を獲得して首位への浮上を目指したが、西脇工の地力の前に力尽き2位がやっとだった。

中盤までレースを盛り上げたのは、市船橋と中京。2年生ながら市船橋の渡辺は歴代2位の好タイムで“花の1区”を制した。2区の坂本も区間賞の走りでリードを広げたが、後半が弱く貯金を守れなかった。中京は3区の主将・山内朋が市船橋から30秒遅れの4位でタスキを受けると、区間新の走りで先行の3人を抜き去り、逆に2位・西脇工に32秒差をつけた。その後も快調に飛ばしたが、6区・松浦の不調が響いた。

◎ トピックス

市船橋2年・渡辺康幸、“花の1区”終盤一気

1区で区間賞を獲得した市船橋の渡辺[12]
1区で区間賞を獲得した市船橋の渡辺[12]

2年生ながら、男子の高校長距離界を代表するイダ天たちが火花を散らす1区の本命とされていた。「最後まで粘れたのが大きな収穫」と国体10,000メートル優勝に続く“勲章”を素直に喜んだ。

区間賞はもちろん狙っていたし、取れる自信もあった。しかし、走り始めると不安な気持ちに。体がいつになく重かったからだ。「僕が引っ張って飛ばすつもりだったけど、先頭についていくのが精いっぱい」。おまけに左足にマメが出来、5キロあたりで痛みだした。

そこで「最後まで力をためていこう」と終盤勝負に方針転換。金閣寺近くの7キロ地点からの下り勾配では、由良育英の堀尾、和歌山北の道浦らの相次ぐ仕掛けにも動じず、力をキープ。残り800メートルで満を持した鋭いスパートをかけ、沿道にいた母加代子さんの「頑張れ」の声援に加速されてトップを奪った。

175センチと長距離走者としては大柄で、伸びやかなストライド走法は将来性十分。高校総体を欠場して臨んだ世界ジュニア選手権(5,000メートル)の腹痛による途中棄権をバネに「ひと回り大きくなれた」という17歳。「来年も1区を走って、今度は新記録を」と、過去3人しかいない連続1区区間賞の偉業に挑む気迫を見せた。

記録

区間新記録

3区で山内朋之(中京)が24分0秒で記録。


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