男子第39回大会の記事

【「全国高等学校駅伝競走大会 50年史」(全国高等学校駅伝競走大会実行委員会・2000年5月発刊)より抜粋】

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大牟田 12年ぶりV

大会新の2時間5分53秒でゴールのテープを切る大牟田のアンカー友野
大会新の2時間5分53秒でゴールのテープを切る大牟田のアンカー友野

大牟田が中盤以降の鮮やかな逆転レースで、今年の九州大会でマークした2時間5分51秒の最高記録には及ばなかったものの、昨年、埼玉栄の出した大会記録を4秒上回る2時間5分53秒の大会新で12年ぶり3回目の優勝を飾った。九州勢としては29回大会(1978年)の小林以来10年ぶり19回目の優勝で、駅伝王国・九州の復活を告げた。

地元・京都の洛南が大健闘の2位。3位には報徳学園が入った。昨年優勝の埼玉栄は25位にとどまった。史上初めて5位までが2時間6分台、10位入賞までが2時間9分を切る高速レースとなった。

■ レース評

激走また激走

“花の一区”で一団となって先頭を争う各校選手
“花の一区”で一団となって先頭を争う各校選手

全区間で1度は必ず先頭が入れ替わった。1区8キロ過ぎから、木戸(報徳学園)、秋山(洛南)、武井隆(國學院久我山)、七浦(愛知)の4人の争い。8.7キロで七浦がスパート。9キロ過ぎで木戸が抜き返し、残り200メートルで今度は秋山がトップに。中村(大牟田)は11位。

2区では松岡(報徳学園)が区間新の快走で洛南をかわしてトップへ。そして3区では、柳(市船橋)が急追し5キロ手前で先頭に立ち、一気に70メートル差をつけた。大牟田も柴本が140メートル差の4位に浮上。

3人が区間新の4区でさらにスピードアップ。大牟田は緒方が2キロ地点で報徳学園をかわして3番手。洛南・高岡も追い上げトップの市船橋に並び、6キロ過ぎでスパート。緒方も同時に仕掛けて市船橋をとらえ100メートル差の2位に。大牟田は5区で芳本が50メートルまで縮め、6区で川内が1キロ過ぎで洛南・真鍋をとらえた。洛南が2秒差の先頭で、最終区に託す。

友野(大牟田)はスタート後すぐ石田(洛南)に追いつき、しばらく並走した後、1.3キロで石田を振り切り、そのままゴールに飛び込んだ。

九州復活 執念の追い上げ

スタートの思わぬつまずきに苦しんだ大牟田だが、2区以後、だれ一人順位を後退させない息詰まる力走を続け、ついに最終7区で大旗をつかんだ。大見監督は「どんなつらい状況でも、1秒でも1歩でも前へ出る逃げ出さない選手を育ててきたことが、大舞台で実を結んだ」と区間賞のない全員でつかんだ優勝の味をかみしめた。

1区で予想外の11位。「調子は悪くないのにトップについていけない。悔しくて、走りながら涙が止まらなかった」と1区を走った中村。だが、優勝へのドラマは、この悔し涙から展開しだした。

2区鈴木が1つ順位を上げて中盤に入り、3区は柴本。3年連続で都大路を走り、最も信頼のおける主将だ。ガッツあふれる柴本は、前の9人を焦らず追いかけた。中間点の表示板で自分に「いくぞ」の大声を掛けるや一気のスパート。トップとの差53秒を28秒まで縮めた。順位は一躍4位へ。

猛烈なラストスパートで飛び込んできた柴本に4区緒方は「よーし、いっちゃるぞ」と声をかけた後、快調な滑り出し。2キロ過ぎで優勝候補の報徳学園・森川をとらえると一気のスパート。6キロで市船橋・浜崎もかわして2位に上がり、逆転劇の舞台が出来た。

アンカー友野がタスキを受けた時、トップの洛南との差はわずか2秒。昨年は1区で7位の実績とスピードを持つ友野はすぐに洛南・石田に追いつくと、1.3キロで2度目のスパート、そのままゴールへ。1区で無念の涙を流した中村が、うれし涙で友野を抱きしめた。

チームとして12年ぶり、九州勢としては10年ぶりに大旗をつかんだ指導歴17年目の大見監督は「近畿や関東勢にやられっぱなしで、何度やめようと思ったか分からない。でも、もう優勝旗は九州以外にやりませんよ」と声を弾ませた。

【石井 修】

◎ トピックス

記録

大会新記録

大牟田が2時間5分53秒でマーク。これまでの記録は、前回の第38回大会で埼玉栄が記録した2時間5分57秒。


区間新記録

2区で8分8秒の松岡政文(報徳学園)ら3人、4区で23分34秒の高岡寿成(洛南)ら3人がそれぞれ記録。


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