女子第26回大会の記事

大阪薫英女学院6年ぶり、初優勝校

4区2.8キロ付近、立命館宇治の長谷川汀(左)を抜く大阪薫英女学院の前田梨乃
4区2.8キロ付近、立命館宇治の長谷川汀(左)を抜く大阪薫英女学院の前田梨乃
大阪薫英女学院が9回目の出場で初優勝を遂げた。2区のエース高松望ムセンビは本調子でなかったが、全員が区間6位以内と安定した走りを見せた。大会歴代7位となる1時間7分26秒のタイム以上に、優勝3回の立命館宇治(京都)との競り合いを終盤の4、5区で制した勝負強さが光った。
女子で初優勝校が誕生するのは08年の豊川(愛知)以来で、大阪勢としては初の栄冠。これまでの最高成績は女子は大阪薫英女学院の5位(12年)、男子は清風の4位(81年)だった。
一方、「2強」と目された常磐(群馬)と豊川は、優勝争いに加われなかった。それぞれ主力選手の故障などが響き、駅伝の難しさを改めて示した。

女子レース経過

大阪薫英女学院が逆転勝ち。1区嵯峨山が区間2位と好走し、序盤から好位置でレースを展開した。トップの立命館宇治から29秒差でたすきを受けた4区前田梨が区間賞の走りで、タイム差なしの1位に浮上。5区加賀山恵が序盤に突き放して勝負を決めた。立命館宇治は2区安藤が区間賞を獲得する好走で1位に立ち、3区小西も区間賞で続いたが、逃げ切れずに2位。1区でトップに立った常磐は、2区の失速が響いて3位にとどまった。

■ レース評

逆転で大阪薫英女 大胆な配置で本命圧倒

1位でフィニッシュする阪薫英女学院の加賀山恵奈選手
1位でフィニッシュする阪薫英女学院の加賀山恵奈選手
 大阪薫英女学院の安田監督がしてやったりの表情で言った。「8位入賞した前年より自信はあった。でも、(優勝候補の)本命ではなかった」。男女通じて大阪勢初の優勝は、前評判の高かった常磐、豊川を圧倒しての堂々のレースだった。
 4区の前田梨にたすきが渡った時点で、トップの立命館宇治と29秒差あり、独走態勢を築かれつつあった。しかし、前田梨には確信があった。「30秒くらいならいける」。今年の近畿大会で、立命館宇治の長谷川に区間タイムで29秒差をつけた実績があったからだ。
 スタート直後からぐいぐいと差を詰め、得意な下りで加速。残り200メートル手前で並び、区間賞の走りで再びチームをトップへと引き上げた。触発されたように、5区の加賀山恵も序盤から飛ばし、危なげなく逃げ切った。
 安田監督が「1区が大きかった」と明言した通り、逆転劇をもたらしたのは1区の嵯峨山の粘りだ。高校入学後に陸上を始めたばかりの1年生は、先頭集団から次々と選手が脱落する中、常磐の岡本を追走。「狙い通りだった」と、7秒差の2位で流れを作った。
 経験の少ない1年生の1区起用はリスクを伴う。安田監督も「どうなるか分からなかった」と吐露した。大胆な配置ができたのは、エース頼みだった昨年と異なり、登録8人全員が3000メートルを9分30秒以内で走る選手層の厚さゆえだろう。
 「これから歴史を作っていきたい」と安田監督。それも決して大言壮語には聞こえなかった。【丹下友紀子】

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