女子第17回大会の記事

【毎日新聞社紙面より抜粋】

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興譲館 初V

1位でゴールする興譲館の高島
1位でゴールする興譲館の高島

興譲館が1区の新谷仁美(3年)の2年連続区間新記録の快走などで、歴代2位の1時間6分54秒で初優勝を飾った。新谷は1区では史上初となる2年連続の区間新18分52秒をマーク。興譲館は2区以降も粘り強い走りでトップを譲らず、5区高島(2年)が区間賞で突き放した。

須磨学園は1区の出遅れが響いて2位。連覇を狙った諌早は4位に終わった。

■ レース評

新谷 初の連続区間新

興譲館は1区のエース新谷が作ったリードを、後続の走者が手堅く守り、岡山県勢初の栄冠を手にした。

新谷はスタート直後から力強い走りで独走し、2位に37秒差をつけた。4区で須磨学園に14秒差まで迫られたが、アンカー高島が区間賞の力走で再び差を大きく広げた。5人全員が区間4位以内という総合力の高さも際立った。

須磨学園は1区で興譲館に46秒もの差をつけたれたのが最後まで響いた。2区小林が区間新の好走、3区以降も踏ん張ったが、及ばなかった。

常磐は1区鈴木が2位と流れをつくり、初の3位。連覇を狙った諫早は不調を伝えられたエース高田が3区に回りながらも3年連続の区間賞を記録して4位に。5位の神村学園は、2位になった02年以来の入賞を果たした。

興譲館「みんな満点」 私の走り 楽しんで

スタート直後から先頭に立ち集団との差を広げる興譲館の新谷
スタート直後から先頭に立ち集団との差を広げる興譲館の新谷

「最高のメリークリスマス」興譲館の1区新谷が、喜びに泣きじゃくる小柄なアンカー高島を抱きしめて声を弾ませた。「みんな、満点」。屈託のないエースの姿そのままに、興譲館が都大路を駆け抜けた。

号砲とともに先頭に踊り出た新谷は、競技場を出る時には既に後続と10メートル余りの差をつけた。外国人選手との競り合いを制して区間記録を破った前回大会とは全く違う。厳しい一人旅だ。

「私のスタイルで走ることだけだった」と新谷。タイムも相手も眼中にない。すくっと背筋を伸ばし、上下動のほとんどない無駄のないフォームで正確に一歩一歩を刻む。4キロ過ぎから歯を食いしばり、残り200メートルでスパート。必死の形相で2区重友に呼びかけた。「自信を持って」

3年連続区間賞、しかも1区では史上初の2年連続区間新記録更新だ。「私の走り」で得たものは、区間2位の常磐との37秒差。優勝候補筆頭の須磨学園を引き離すこと46秒。

須磨学園の長谷川監督は「後続集団がもう少し詰めてくれていれば」と嘆き、興譲館の森政監督は念じた。「慌てず、のびのび走れ」。須磨学園のエース小林の追い上げを受ける重友が、「一番前で走れるのがうれしくて、楽しくて」と感じた時、勝負は決した。

初入賞は前々回。前回は最終区で逆転されて2位。初めて「優勝候補」と呼ばれるプレッシャーを、迷いのない「私たちの走り」で吹き飛ばした。そして何より力となったのは、卒業した先輩たちと交わした雪辱の約束。新谷が競技場に駆けつけた先輩たちに手を振った。「メリークリスマス」。満点のクリスマスだった。

【藤倉 聡子】

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